このドキュメントでは、OWASP トップ 10 で説明されている一般的なアプリケーション レベルの攻撃の防御に役立つ Google Cloud プロダクトと緩和戦略について説明します。OWASP トップ 10 は、Open Web Application Security(OWASP)Foundation によるすべてのアプリケーション オーナーが把握すべきセキュリティ リスクの上位 10 のリストです。これらのリスクに対する完全な保護を保証するセキュリティ プロダクトはありませんが、アーキテクチャに対して有効なプロダクトを適用すると、強力な多層セキュリティ ソリューションを実現できます。
Google のインフラストラクチャは、サービスを安全に構築、デプロイ、運用できるように設計されています。物理的および運用上のセキュリティ、保存データおよび転送データの暗号化、その他の安全なインフラストラクチャの重要な側面が Google によって管理されます。アプリケーションをGoogle Cloudにデプロイすることで、これらのメリットを継承できますが、特定の攻撃からアプリケーションを保護するためには、さらなる手段を講じなければならない場合があります。
このドキュメントに掲載されている緩和策は、アプリケーションのセキュリティ リスクと Google Cloud プロダクトを基準に分類されています。ウェブ セキュリティ リスクに対する多層防御戦略を策定するうえで役立つプロダクトは数多くあります。このドキュメントでは、さまざまなプロダクトで OWASP トップ 10 リスクを軽減する方法について説明しますが、特に Google Cloud Armor と Apigee がこれらの幅広いリスクを軽減する仕組みについて詳しく説明します。ウェブ アプリケーション ファイアウォール(WAF)として機能する Google Cloud Armor と、API ゲートウェイとして機能する Apigee は、さまざまな種類の攻撃をブロックするのに特に役立ちます。これらのプロダクトはインターネットからのトラフィックが Google Cloud内のアプリケーションに到達する前に、外部トラフィックをブロックできます。
プロダクトの概要
次の表に、トップ 10 セキュリティ リスクから防御するために利用できる Google Cloud プロダクトを記載します。
プロダクト | 概要 | A01 | A02 | A03 | A04 | A05 | A06 | A07 | A08 | A09 | A10 |
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アクセスの透明性 | 管理者のアクセスログと承認コントロールにより、クラウド プロバイダによるアクセスを可視化して制御する |